浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1019話

高座組 生往寺 坂本 慎成

皆さん、法律は守っておいででしょうか?
私たちの住んでいるところには社会秩序維持の為の規範として、法律というものがあります。生活していればなんらかの法律のかなで過ごしています。
この法律、皆さんは順守しているという意識がないにしても、破ってはいないという方が多いのではないかと思います。もし破ればそれは罪となりますから、今までに罪を問われたことのない方は法律を順守していると言えばそれは法律上問題ないでしょう。
 この法律の「法」という字には、実は仏の教えという意味があります。こちらの仏の教えの「法」は守っておいででしょうか?
先ほどの「法律」には「内心の自由」というものが約束されております。心で思うことは自由であり、いくら規範に違反していても内心に留めて行動にうつさなければ,罪に問われることはありません。しかし、仏の「法」は違います。
仏の教えに反することを心に思うだけで罪となるのです。これはたいへん厳しいもので、これを守ることは非常に難しいです。聖者と呼ばれる方でなければ出来ないでしょう。私たちはただの人です。なかなか仏の教えをすべて守ることは出来ません。となると私たちは成仏することなく、永遠に罪を重ねていくことになってしまいます。迷いの世界をくり返していくことを罪深い私たちは自分の力ではどうすることも出来ないのです。
 しかし、私たちはあきらめる必要はありません。仏の教えの「法」のなかにもまた救いがあるのです。それは、お念仏であります。仏は私たちが罪を重ねてしまうことも見越して、阿弥陀仏の名前を称えるだけで救ってくださるとお約束しておられます。
社会の一員として「法律」を守っていたとしても、罪を重ねてしまっている私たちは阿弥陀様の「法」を守って日々の反省をしながらも,救ってくださる阿弥陀様に感謝の心でお念仏をすれば良いのであります。