浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1021話

鎌倉組 生往寺 脇川正暢

今回は「人間の誕生と価値」について考えてみたいと思います。季節の移りは早いもので、もう、12月となりました。空気が澄んで、夜空の星の輝きがきれいな候です。東の空にはオリオン座も美しく輝いています。冷気が身にしみますが天体観測には大変良い時期ですね。夜空に光る星は数限りなくありますが、我々、人間が住む星は、広大な宇宙の銀河の中の太陽系に属する惑星の一つ地球ですね。
 さて、この地球には、我々人間と同じように命を持つ生物がどの位いるでしょうか。目に見えない小さな微生物から大きな哺乳類まで数えきれない種類の生き物がいますね。我々は、その中で人間という生き物として生まれてきました。大宇宙の無数の星の中のたった一つの地球に、数えきれない種類の生物の中に、あなたが人間として誕生できる確率はどの位あるのでしょうか。想像もつきません。あなたが人間である事は素晴らしい事ですね。 
 仏教では「六道輪廻」といって、人は六つの世界を巡り生まれるという考え方があります。地獄や餓鬼、畜生の世界でなく人間界に生まれた事を感謝しなければいけませんね。
 地球には約70億人の人間が住んでいます。しかし、同じ人間はいません。似ている人はいても同じ人は過去にもいないし、未来にも生まれないでしょう。広大な宇宙の中で、広い地球上で、あなたは唯一の存在です。だから、あなたの命は、何よりも価値が高く貴重なものです。
 浄土宗開祖の法然上人は「命の大切さを自覚し、一生懸命に生きる努力をする人は、必ず阿弥陀如来が助けてくださるから阿弥陀如来の救いを信じなさい。」とおっしゃっています。「南無阿弥陀仏と念仏を唱えなさい。」とおっしゃっています。ぜひ、阿弥陀如来への信仰の心をお持ち下さい。