浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1044話


今日のニュースを見ていますと、「自分のことを馬鹿にされ、腹が立ったから刺してしまった。」だとか、「言うことを聞かないから、叩いたら子どもが死んでしまった。」など、自分勝手でなんとも腹立たしい事件をよく耳にします。このような話を聞きますと、人間は、なんて身勝手で愚かな生き物なんだろう・・。と思いますが、果たしてこのような事件を起こさないにしても、私たちは本当に正しく生きているのでしょうか?残念ながら、私はそのようには出来ていないように感じています。
人は、生活をしていると、「やれ〜が欲しい。」だとか、「〜が気に入らない。」など、ついつい不平・不満、また、欲にまみれています。悲しくは思いますが、他の人より優れていることや知っていることをひけらかしてしまうこともあります。今、生きている私たちの力では、すべての悪事を浄化し、救われることはできません。この様な私の存在を凡夫といいます。その様な凡夫でも、この世での悪業を悔い改め正しい道へ進むことができる教えがあります。
法然上人は、「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えれば、誰でも皆、平等に必ず極楽浄土に往生することができると、おっしゃっています。このことをお話すると、中には、「じゃあ、『南無阿弥陀仏』ってずっと言えばいいんじゃないか。」とおっしゃる方がいますが、お念仏を唱える際に?慢・慢心の心を捨てて、阿弥陀様を深く信じる心を持って、申すことが大切であるということをわかっていただきたいと思います。そのような心を持って、お念仏を唱えることにより、「阿弥陀様」のお力によって、浄土への往生が約束され、人生の過ちや愚かさからかえりみることができるのではないでしょうか。
来年は、宗祖法然上人がお亡くなりになられてから八百年回忌の年にあたります。みなさんも心穏やかに仏様に向かい、お念仏をお唱えください。

次回は、8月1日にお話がかわります。