浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1089話

善然寺 戸田由美

大切な方を、突然亡くされると、遺された方は深い悲しみに囚われ、自責の念に駆られたり、怒りの感情が起きたり、感謝の気持ちが湧いてきたりと、いろいろな感情が、次から次へと湧いてきて、戸惑うことも多いと思います。
 大切な方の死を受け入れることは、とても難しくとても苦しい事だと思います。そんな時は思い出してください。あみだ様がいつでもあなたを慈しみの心で見守っていることを。
 この世で、あなたと亡くなった方は出会い、ご縁が結ばれました。今は思い出すのも辛いかもしれませんが、亡くなった方が伝えてくれた言葉、思い出は消えることなくあなたの中にあり、ご縁は無くなることはありません。
 人によって悲しみの癒える時間は同じではありません。例え誰かに「いつまで悲しんでいるの」などと言われたとしても、気にせず悲しい時は十分悲しむことが必要なのです。又悲しみの心が辛すぎる時には、お仏壇や、お墓の前で手を合わせ、亡き方との心の対話をしてみてはいかがでしょうか。
 あみだ様という仏さまは、いつも私達の事を見守り、「阿弥陀様お願いします」と言う意味の「なむあみだぶつ」と唱えた者を、必ず一人残らず救い、臨終の時にはあみだ様のお作りになった極楽という浄土に生まれさせようと誓われ仏になられました。もしも亡き人がこの世でお念仏「なむあみだぶつ」とお唱え出来なかったとしても、遺されたあなたが変わりにお唱えすることで、亡き人が、例え迷いの世界に居たとしても、必ずあみだ様のお作りになった極楽浄土に、生まれることが出来るとお経にも書かれています。亡き人の為、ご自分が浄土に生まれ、亡き人と再会をする為にどうか、日々お念仏「なむあみだぶつ」とお唱えしてお暮らし頂ければと思います。

次回は11月1日にお話が変わります。