浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1095話

いよいよ今年も押し迫って参りました。

大晦日ももうすぐです。「みそか」とは月の終わりと言う意味で、十二月三十一日は、一年最後のみそかなので大晦日となります。大晦日と言えば除夜の鐘です。除夜の鐘は、私たちの百八つの煩悩を取り除いて清らかな新春を迎えるために打ち鳴らすと言われています。けれども、私たちの心の中にあるとらわれの心、不平不満、妬みや怒りと言った心は、簡単に洗い流せるものではありません。
時には自分でも気がつかないことさえあります。

法然上人のお詠みになった歌をご紹介します。

雪のうちに 仏のみ名を 唱ふれば
つもれる罪ぞ やがて消えぬる(復唱)

有る物に満足できず、常に無い物ねだり。隣の家に塀が立てば、こちらは腹が立つと言うように、人を妬み自分さえ良ければ良しとしながら、不満には腹を立ててしまいがち。わかっちゃいるけど止められない。このような私たちの身には、雪が積もるように日々知らず知らずのうちに作られた罪が積もっていきます。しかし法然上人は、そうした私たちであっても、心から反省し救いを求めて阿弥陀様の御名を唱えたならば、阿弥陀様の暖かいお慈悲の光に照らされ、すべての徳がそなわったお念仏の功徳により、積もった罪が消えていくとお諭しくださいました。

今年一年のほこりを払うと共に、南無阿弥陀仏とお念仏をお唱えして心身共に清々しい新年を迎えたいものです。

どうぞ良いお年を。

次回は1月1日にお話がかわります。