浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1133話

光雲寺 慶野匡文

テレホン法話も一一三三話を数えます。この一一三三の数字にはすぐ反応してしまいます。ご存じの方も多いと思いますが、法然上人がお生まれになったのが、この数字の一一三三年であります。法然上人がこの世においで下されなければ、またお念仏に出会って下されなければ、今のこの私はどこに救いがあったかと思います。そして、この一月という月は法然上人がおかくれになった月、建暦二年一月二十五日にご往生されたのです。一枚起請文という、ご臨終二日前にお弟子さん源智上人に示されたご文にも「智者のふるまいをせずして、ただ一向に念仏すべし」とあり、この一年の最初、始まる月から法然上人と離れることのない縁をいただけることに有難さを感じるのであります。毎年、法然上人から始まるのであります。そう思いますと、この一年、ああしよう、こうしようと様々な計画やら誓い言をたてますが、まずは、この一年、お念仏の日々となるよう相続、継続していこうと誓うことが大切でありましょう。しかも「智者のふるまいをせずして」という心こそ、この一年を過ごしていく上で大切なお諭しです。一年過ぎると結局、智者のふるまいに明け暮れた自分だったと懺悔することが多いのですが、大切なことは、智者のふるまいをしないようにと日々過ごすことこそに意味があります。なかなかお念仏が続かないという方もいらっしゃいますね。始めはいいけれど、いつのまにか忘れていたとか、よく聞きます。一つの工夫としまして、春彼岸、お盆、秋彼岸、お十夜などを一年の節目として、それまでにどれほど称えられているかその節目で反省し、次へ向けての軌道修正としていってはどうでしょうか。今年も阿弥陀仏と離れずの生活をして参りましょう。