浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1136話

三浦組 長井寺 井上隆寛

本日は「一期一会」という言葉からお話をさせていただきます。「一期一会」とは、さもすると「人との出会いが大切」という意味で用いられることも最近ではよくきかれます。しかし、本来、「一期」とは一生涯をさし、生涯のうちで今日という日は二度となく、今日のめぐり合わせは、あくまでも今日だけのことであるという意味なのです。そして、この考えは仏教の「諸行無常」、すべてのものが移り変わるもので同じものは二度とないという考えからできた教えとされています。
さて、新年を迎えて年が明ける頃には、「今年こそ学業成就しよう」「今年こそダイエットをしよう」などと初心を立てた方も多いかと存じます。ところが、月日が、一月、二月とときがたちますと、いかがでしょう。今の季節、こうも寒い日が続き、こたつや暖房のある部屋でぬくぬくなどしておりますと、「今日は休んで、明日からやればいいか」などと日延べしてしまう話もよくきかれます。
「初心忘れるべからず」というものの、人の心は弱いもの、過ぎ去っていく日々がいつしか空しいものとなっていないでしょうか。
今を充実して生きる、単純なことですが、大変難しいことです。しかし、「一期」を大切にする心を忘れなければ、自然と努力できるものです。例え、失敗をした日、だらけてしまい無駄に過ごしてしまった日、があったとしても、そのことを「今」、そのときに活かし、積み重ねを繰り返して生活をしていくことで、初心の成就はもちろん、日々への感謝を感じることができるものなのです。
阿弥陀様のご慈悲を感じるとともに、毎日のお念仏、今のお念仏を大切に過ごしていきたいものです。

次回は2月21日にお話がかわります。