浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1161話

小田原組三寶寺 竹石 光流

 テレホン法話をお聞きくださりありがとうございます。
二月になりますと、仏教各宗旨宗派を問わず仏教を信仰する人々すべてが大切にするべき日があります。その日とは二月十五日の涅槃会です。
涅槃会とは、仏となられ仏教を開かれたお釈迦様がこの世を去られた日であり、その日に僧俗を問わず追悼・報恩感謝の真心をささげる法要をいいます。
お釈迦様がこの世に生を受けられ、お悟りを開かれ、仏法お説きお示しくださったからこそ、今日の私たちはお釈迦様のみ教えを頂戴することが出来るのです。
 宗祖法然上人は、御法語の中でご自身がなぜお釈迦様がご説法されていた時代に生まれ、ご説法の場に居合わせることが出来なかったのかと嘆き悲しまれたというお心の内を明かされています。しかし、縁に恵まれお釈迦様のみ教えが伝わり広まっている世の中に生まれることが出来たということは、有り難く喜ばしいことであると仰っていられます。
「咲いた花みて喜ぶならば 咲かせた根元の恩を知れ」という御歌がございますが、今日私たちがお念仏のみ教えを頂戴し、お称えさせて頂けるのも、お釈迦様がいらっしゃったからこそ、また、お釈迦様が阿弥陀様をお説きお示しくださったからこそ、善導大師、法然上人が称名念仏の道をお示しくださり、その道を脈々と大切に絶えることなく受け継いでこられた方々がいらっしゃったからこそであります。
その根元にはお釈迦様がいらっしゃったからこそ、お念仏をお称えする私たちという花が咲くことが出来たのです。お釈迦様がこの世を去られて二千五百有余年。この大きな御縁の恩を知り、恩に報い感謝するためにお念仏をお称えして参りましょう。
次回は二月中頃にお話がかわります。