浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1174話

港南組阿彌陀寺 香川 隆順

浄土宗神奈川教区テレホン法話第1174話にお電話を賜りましたこと、誠に尊いことでございます。
8月も中頃を過ぎ、これまで大輪の花を咲かせておりました蓮の花も、その花びらを落とし、代わりに見事な蓮台を見せてくれております。
浄土宗をお開きになられました法然上人のお言葉の中に、「露の身はここかしこにて消えぬとも心は同じ花の台ぞ」というお言葉がございます。このお言葉のお心を申し上げますと、「我々の命というものは、時に露のように儚くいつ尽きるとも限らない身であるけれども、お念仏、南無阿弥陀仏とお称えすれば、必ず阿弥陀様が救い取って下さるのだよ。そして、極楽浄土の蓮の蓮台に生まれさせて頂き、そこでまた、今までお別れをしてきた人々と再会を果たせるのだよ。」このように法然上人はおしゃって下さっております。
常日頃、私達の周りでは多くの悲しいお別れが訪れます。また、このお話をお聞き下さっている方の中にも、辛いお別れを経験された方もいらっしゃると思います。けれども、私達は今こうして「南無阿弥陀仏」、お念仏という尊いご縁に出会うことが出来ました。たとえこの世で別れても、私達はまた必ず再会をさせていただけるのです。このお念仏、「南無阿弥陀仏」とお称えすれば、阿弥陀様が救い取って下さる。極楽に往生させていただけるのです。そして、先に旅立っていった方々とまたお会いすることが出来るのです。
時に命とは儚いものでございます。でもそこで終わりじゃない。必ず再会出来るんだ。
毎年、お盆の季節に花開くこの「蓮の花」を通して、皆様それぞれのお心の中にある故人達が、「待っているよ、必ず待っているからね」とおしゃって下さっているのです。
どうぞ、故人やご先祖様たちが与えて下さったこの「お念仏」の尊い御縁を皆様それぞれ大切にして頂き、お念仏と共にある生活を送って参りましょう。
次回は9月の始めにお話がかわります。