浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1180話

鎌倉組天然寺 関谷 泰然

前回のお話では、お念仏には大きく三種類の行儀があり、ひとつは日常おとなえするお念仏、すなわち「尋常念仏」、ふたつめは、「臨終のお念仏」についてお話いたしました。
本日はみっつめの「別時念仏」についてお話したいと思います。
11月も中旬となり、本格的に紅葉も見ごろになり、秋らしい季節となってまいりました。全国の浄土宗のお寺では10月から11月にかけて、「お十夜」という行事がおこなわれております。お十夜は一般的に秋の収穫と阿弥陀様のご恩に感謝して、お念仏をおとなえするご法要のことで、10月には鎌倉にあります大本山光明寺におきまして引声念仏・引声阿弥陀経という500年以上もつづく、古式のお十夜法要が今年も営まれ、屋台などもでて大変にぎわいをみせておりました。
なお、現在では本山以外のほとんどのお寺では一日の法要としてますが、お十夜は「十日十夜別時念仏会」ともいい、別時念仏のなかでも十日間にわたる特別な法要のことをいいます。
「別時」とは時を別にすると書きますが、法然上人は「毎日、たくさんお念仏をとなえれば、それで充分のようにも思えるけれども、人の心というものは、ぞんざいになりがちであるから、その心を元気づけるためにも時々、別時の念仏をするとよいですよ」とお説きになられております。
お寺によっては定期的に別時念仏会を開催しておられます。また、さきの鎌倉の大本山光明寺や、東京ですが芝の大本山増上寺でも、毎月誰でも参加できる別時念仏会をおつとめされております。普通の法要とおもむきが違いご自身で木魚をたたいて、お念仏やお経を長時間となえているという充実感が得られ、気持ちがリフレッシュされるのではないかと思います。是非みなさまも機会をみつけて別時念仏会に参加していただけたらと思います。
それでは、次回は12月の始めにお話がかわります。