浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1184話

中郡組易往寺 一 真成

 元日にも雪が降り、寒さが一層深まってまいりましたが皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 さて、近年携帯電話やインターネットが当たり前に使われるようになり、せわしない日々を過ごすようになってきた私達ですが、普段の生活の中において命について考えることはありますでしょうか。
 命についてなどというと大げさな話のように聞こえるかもしれませんが、実は毎日の生活の中で誰しもが必ずいくつもの命と関わっているのです。命という言葉を聞いてまず初めに思い浮かべるのは自分自身の命ではないでしょうか。またペットや愛着のあるものも頭に浮かぶことでしょう。しかしながら、食事ひとつをとってもたくさんの命をいただいてはじめて口にすることができますし、生きていくうえで当たり前にしている呼吸ひとつをとっても木々の命がなければ酸素ができず生命を育むことはできません。
 先ほども当たり前という言葉を口にしましたが、私たちは時間とともに未知の世界へと足を踏み出しているのです。そのような当たり前に過ごしているようで当たり前ではない世界で生活をしている私達、今ここにある命をどうか大切にしていただきたいと思います。また、たくさんの命をいただいて生活している私達、生きているのではなく生かされていることをどうか感じていただきたいと思います。
 話は変わりますが、今月の25日は浄土宗をおつくりになられた法然上人のご命日であります。阿弥陀様のみ教えを分かりやすく、身近に説いてくださった法然上人。どうか法然上人にたむける南無阿弥陀仏のお念仏をお称えしていただければと思います。

 次回は2月の始めにお話がかわります。