浄土宗神奈川教区テレホン法話 第726話

 今回はお念仏の功徳についてお話をいたします。
 お念仏を10回称えるお十念、一日に何回かお称えすることでありましょう。又礼拝行で一回で400礼されたからといってその事には直説ご褒美をいただくことはありません。では何が、何の功徳があるのでしょうか。今回はまず、先に結論を申しましょう。それは誰でも平等にやってくる死ということ、その死んだ後に貰えるものなのです。
 浄土教の死生観、宗祖法然上人がお説き下さいましたように、それはお念仏を申す事によって、仏が念仏往生の願を立てられたことから必ず浄土に生まれ変わることが出来る、ということに他なりません。
 仏教で言われる六道輪廻を繰り返し、解脱のチャンスを待つという気が遠くなるような考え方では無いのです。丁度秋彼岸の時期でもあります。墓所で手を合わせお十念を称えるご作法は誰もが自然に行う姿でありますが、ふと、お墓の中ご先祖を想う時、地獄か極楽かあるいは輪廻転生、六道のうちもし畜生界にでも生まれ、牛さんとか豚さんに生まれ変わっていたら誰かに食べられてしまっているのではと、想いがよぎったかもしれません。
 でもご安心下さい。先程から申しているように、お念仏を申し、浄土宗を信ずる方々のお墓の中でご先祖様達は、必ず極楽浄土に生まれ変わっておられるのです。
 どうぞ、安らかな気持ちで、今想うご先祖の霊に対しお塔婆を立て、水と花を添え香をたいて自らを清め合掌しお十念を称えてお墓参りをしていただきたいと思います。
 皆様もどうぞお念仏を申す生活をお続けになり、安らかな気持ちで一日一日をお過ごしいただくことをお願い申し上げます。

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