浄土宗神奈川教区テレホン法話 第813話

 私達、人間とは様々な経験を重ね、日々生活しています。
 お釈迦さまの教えの中で、三毒と呼ばれる「むさぼり」「いかり」「おろかさ」は代表的なもので、例を挙げればキリがありません。
 今回はこのお話しをしていきたいと思います。
 まず、「むさぼり」ですが、“欲をだす”“欲が出る”誰でも経験のあることだと思います。“欲しい欲しい”上限を知らず無理をしても得ようとする心。欲が多すぎると、正しく物を見たり、判断がにぶったりと、強いてはまわりが見えなくなってしまいます。“足るを知る”という有名な言葉がありますが、自分の利欲より他人の幸せを願う生活につとめていると、様々な幸せは必ず自分に還ってくることを最初に申し上げておきます。
 その次は、「いかり」です。“腹が立つ”腹を立てれば心が落ちつかなくなり、暴言が出、最悪の場合喧嘩となることは少なくありません。これはとけも悲しいことです。暴言暴力によって事が収まることなど絶対にありません。これは、自分のことばかり考えて、相手の立場や事情を理解しようとせず、期待、思う様にいかないから腹を立て、もっと悪いことに頭にきて正しい思考力を失ってしまうのです。良く考え、相手の立場・思いをくみとった言葉ならいかりは起きません。暴力もありません。良く考えてみたいことです。
 最後は「おろかさ」です。愚痴をこぼす、過去のことにいつまでもしがみついている。悪いことは他人のせいにする。これらもよくあることです。私達は日々生きる上で常に自分に謙虚であり、大きく広い心を持ち、受け入れる気持ちを養うことで、どれ程明るく・楽しくこの世を生きられるか、人に思いやりと相手を許す心が備った時、そこに幸せは必ずやって来ます。皆に幸せが広まるでしょう。これこそが阿弥陀さまの慈悲の心です。
 南無阿弥陀仏の念仏の中に日々生活をする様心掛けていると、自分の気持ちがずいぶん楽に軽くなってきます。“おかげさま”です。言うは易く、行うは難しですが、物に執着せず、人を受け入れる心を持つことで自分も人も幸せになる。
 少しずつ始めてみませんか?

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