浄土宗神奈川教区テレホン法話 第818話

 鶯が鳴き始めました。なんとも幼稚な声です。毎年のことですが同じことを何度も何度も稽古をしている間に、すばらしい鳴き声になっています。
 皆さんのご家庭で、今年幼稚園に入られたお子さんがいられますか?迎えのバスが来た時に、お母さんの手を離さずお母さんや先生を困らせた人、お返事が出来ない子、何かと泣いている子、さまざまです。絵や歌が上手に出来なかったお子さんもいられると思いますが、一年もたつとバスに乗らない子はいません。お友達も出来、絵も歌も上手に出来るようになります。これが精進です。一生懸命にされた結果です。
 お念仏も同じです。誰れでも最初から大きな声を出して、上手にお称えすることは出来ません。それにもかかわらず、少し前からお念仏を申している方は、先輩顔で、さも自分は最初から出来たと言わんばかりに話します。錯覚の中で、さも自分はすばらしいお念仏を申せる、と思ってしまう。高慢な姿です。
 鶯が毎日の練習で、すばらしい谷渡りが出来るように、幼稚園の子どもさんが、一生懸命勉強したので絵や歌が上手になったように、毎日を真剣にお念仏を申していると、阿弥陀親様が笑顔を見せて下さるお念仏の行者になることが出来るのです。

 怠らず 今日も初心で 春の朝

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