浄土宗神奈川教区テレホン法話 第843話

『除夜』
 今年一年最後をしめくくるお寺の行事として除夜の鐘がございます。
 もともとは12月を除月、12月31日、大晦日を除日というそうでございます。
 旧い年を除く旧い日を除くという意味があり、そして大晦日、除日の夜という事で除夜と申すのでございます。
 ご存知の通り、除夜に打つ鐘は百八回でございますが、私たち人間は百八の煩悩、欲望があるといわれており除夜の鐘を打つたびに一つ一つ消し去って頂くのでございます。
 今年一年を振り返ってみますと私たちは自分では気付いてはおりませんが、知らず知らずに実に多くの罪を作り穢れにまみれながら今年一年過してきたように思えます。
 自らなしたこの一年の生活、心のあり方を振り返り反省、懺悔して一撞き一撞きの鐘の音と共に消して新しい年を迎えて頂きたいと思います。
 新しい年を迎える私たちにお念仏の元祖法然上人はそのお言葉に「現世をすぐべき様は、念仏の申されん様にすぐべし。念仏のさまたげになりぬくば、なによりともよろずをいといすてて、これをとどむべし。」とおっしゃられております。
 このお言葉の意味はこの世の生き方、過し方はお念仏を常にお唱えできる生活にしなさい。 もし、お念仏のお唱えに妨げがあれば、何事にもよらずそれを捨てなさい。
 つまり、お念仏中心の生活にしなさい。と教えて下さっています。
 全ての事をお念仏の助けとなるようにしむけていきなさいと教えて下さっています。
 私たちの生活の中にお念仏があるという過し方からから、お念仏の中に私たちの生活があるように新しい年を過していきたいものです。
 どうぞ新しい年が皆様にとりましてよい年になりますように。

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