浄土宗神奈川教区テレホン法話 第873話

仏様のお顔

 あんなに暑かった今年の夏の暑さも忘れ、最近は、一年で最も過ごしやすい季節となりました。
 それと同時に行楽シーズンに入っております。
 皆様方はもう、どこかお出かけになられましたか?
 このテレホン法話を聞いて下さる皆様方の中には、どちらかのお寺にお参りに行かれているのではないでしょうか?
 うちの子供の仏様にまつわるお話がありましたので、お聞き下さい。
 男の子ためか、小学校に入学する前にいたずらばかりしておりました。
 さすがに今は小学3年になったので、以前みたいにはないですがその頃、あまりに度が過ぎる場合には、本堂に連れて行きました自坊は浄土宗ですので、ご本尊様は、阿弥陀様です。
 仏様は色々な、お仲間がいらっしゃいます。
 今私が申し上げました阿弥陀様の正式な、お名前は阿弥陀如来です。
 如来という仏様は他に釈迦如来、薬師如来、大日如来がいらっしゃいますが、浄土宗の場合、阿弥陀様の両側に、観音菩薩、勢至菩薩が、いらっしゃいます。
 いわゆる阿弥陀三尊と言われております。
 他の仏様で、お不動様と呼ばれている不動明王がいらっしゃいます。
 この仏様は、前の仏様と違い大変怖いお顔をされた、いわゆる忿怒の形相です。
 ただ怖いのでなく我々悲しい事に、煩悩の塊の衆生である為やさしく教えを説いて下さっても素直に聞き入れない場合には、厳しく叱って下さるお役目の仏様です。
 話がそれてしまいましたが、子供が悪い事をし、阿弥陀様の前で謝る時「阿弥陀様が、すごく怖いお顔で、僕のことを見ている」と泣きながら、訴えておりました。
 その後お十念を称え終りました。
 又、別の日にいつもいつも怒られているので、たまには良いことをしたので「阿弥陀様にご報告しましょう」と誘ってもトラウマで「嫌だ嫌だ」と言っていましたが説得しようやく、本堂に向かいました。
 恐る恐る子供も阿弥陀様のお顔に目を向けたら、「今日は阿弥陀様が笑っている」とびっくりしておりました。
 実際、阿弥陀様は怒ったり、笑ったりされるお顔ではないのですが、子供にとっては、ある意味単純というのか純粋と言うのか自分の行いや感情によって仏様のお顔の見え方が違うのでしょう。
 私達の心が、仏様のお顔に表れたのでしょうか?
 これから、私達も仏様に手を合わせる時に、にこにこされているお顔を見せて頂きたいと思います。

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