浄土宗神奈川教区テレホン法話 第878話

初詣りは菩提寺から
 こんにちは。あと僅かでお正月を迎えることになりました。
 例年、今頃になりますと、話題になりますのが、新年の初参りの参詣者の予想でありましょう。
 新年は明治神宮や鶴ヶ岡八幡宮、川崎大師と楽しい、しかも清々(すがすが)しい初参りの姿は日本独自の行事と言えましょう。
 しかし、それはそれでよいのですが、「ちょっと待ってくださいよ」と言いたいのです。
 私たちが今日まで生き続けてこられたのは、言うまでもなく父母をはじめ、ご先祖さまの不思議な縁のお陰で今の自分の生命が息づいているのではないでしょうか。ご先祖の一人でも欠けていたならば、今の自分の存在はないわけです。そのことを考えたならば、先ず、最初のお参りはご先祖さまの眠る菩提寺ではないでしょうか。
 私共は旧年中も毎日ご先祖さまと共に過ごして来ました。そして、お守りいただきました。
 大晦日も仏前をお掃除し、お花やお供えをささげ、年越しそばも備えたあと、家族そろってすするそばの味は一入美味しいものであります。 
 旧年から新年へご先祖と共に生かされていた生活がそこにあることに気付くことでしょう。すなわち、共生であります。
 初日の出を拝礼するのは、大自然の恩恵に対しての感謝の誠を捧げるわけで、他の動植物の恩恵と共にご先祖と共に共生している社会であるわけです。
 他の神社仏閣にお参りされるのも結構ですが、ご先祖様の眠る菩提寺の初参りも忘れることなく、家族揃って感謝の誠を尽くしたお参りをお勧めします。

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