浄土宗神奈川教区テレホン法話 第922話

三浦組 三浦 正順 今年の冬は、暖冬でございまして、厳しい寒さというものがなかったように感じます。ただ冬といえば、風邪をひく季節でもあります。今年も例年のように、風邪やインフルエンザがはやっておりました。 近年の医学というのは、研究おかげで、大変な進歩を遂げています。どこか身体がおかしくなれば、病院へ行き、医者に見てもらったり、薬を飲んだりすることで、私たちは、病気の不安を取り除くことができます。数十年前なら不治の病といわれていた病気も今では治療が可能になってきています。しかしながら、やはり未だ治療法のない病気があったり、新しいウイルスが出てきたりしています。 私たち人間の進歩の歴史というのは、不自由なことを自由にするということの研究の歴史ともいえるかもしれません。病気、障害、そして身体の衰え、老いること、そして死ぬこと。これら苦しみと戦ってきたわけです。生老病死の四つの苦しみを四苦と言いますが、この苦しみは科学の発達した現代でもいまだ克服できない苦しみです。苦しみを軽くすることはできても、その全てを取り除くことはできません。 仏教の教えでは、この苦しみの世界から抜け出るための手段が成仏であります。浄土宗の宗祖法然上人さまは、その成仏へ一番の近道は、まず南無阿弥陀仏のお念仏を称えることであると私たちにお示しくださいました。阿弥陀さまに全てをお任せすることで、阿弥陀様のお力、お導きによって、苦しみのない世界、極楽浄土へ参ることができるのです。どうぞお念仏とともに毎日をお過ごしください。

次回は、3月11日にお話しがかわります。