港北組 専称寺 夏見 直貴
まだまだ暑い日が続いておりますが、本日はお数珠の話をいたします。
最近、腕に腕輪数珠をつけられている方をよく見かけます。
お数珠の起源は釈尊より前の時代で、そろばんを釈尊が数珠として用い
始めたという説もあり、礼拝する際にお経を唱えた数を数えるためにも数珠は、使用されます。
数珠は仏教徒の証であり、法事など仏様と向き合う時には必ず手にするものです。
本来は、老若男女の別はないものとされます。
お経には釈尊が災いを防ぐために、もっかんの実を使い数珠を作ったと
されます。昨今では、もっかんに限らず、黒檀・ひすい・水晶など様々な物が使われています。
宗派によってお数珠の名称、かけかたなど違いがあります。
お数珠の輪の中で、大きな親珠は阿弥陀如来、あるいは釈迦如来をあらわします。たくさんある小さな主珠は菩薩の修行を象徴して、修行をへて108の煩悩を断つとされます。
お数珠は多くの珠をひもで結んで輪にしたもので、珠の数は108個の
ものが正式とされています。54の数の数珠もあります。54の場合は、菩薩の五十四位を示します。
108の由来は108の煩悩を滅するためと言われます。
お数珠の功徳は福を招き、災いを取り除き、身を守り、安らぎや平穏を得られるものとされています。
お数珠を結ぶ紐を、中通し紐と言い、この紐は、菩薩の修行者を象徴します。
浄土宗では、檀信徒の方々が使う数珠の主な数珠は、日課数珠という二連の輪でできた数珠であります。手を合わせ、合わせた両手の親指に数珠をかけお念仏を唱えます。
今日でもたくさんの場所で、百万遍数珠を用いたお念仏信仰が続くのも、こういった理由によるものだと思います。
次回は9月11日お話が変わります。