浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1024話

中郡組 西福寺 宮澤 正順

 法然上人は、ナムアミダ仏、すなわち、阿弥陀さま何卒よろしくお願いいたしますという単純明快な教えを我々凡人に示して下さったお方ですから、法然上人をお念仏の元祖さまと申し上げます。我々お互い、幼少の頃には何があってもすぐにお父さんお母さんと父母の名を呼んだように、ナムアミダ仏といつもアミダ仏のお名前を呼んで下さい。アミダさまはその声に応じて、どんな愚かなものでも、どんな罪を犯してしまった者でも、丸ごと支えて下さり、救いとって下さるのです。いつでもどこでも誰でも、アミダさまのお力によって救われるのですよ、とこの世で初めて力強く教えて下さったのが法然さまですから、法然さまをお念仏の元祖さまとお呼びするのです。声が出せない状態ならば心の中でナムアミダ仏と念じて下さい。法然さまが示して下さったナムアミダ仏のみ教えの特色は、いつでも誰にもできるこの易しさにあるのです。善いことをしなくてはいけないということは三歳の童子でも判っています。しかし判っていながらなかなかできないのが我々の常なのです。まして体にハンディーが生じた時や寝たきりの病気になった時などは、何もできない状態になります。そのような状態でなくても、力もなく知恵もない愚かな我々にできることはナムアミダ仏のお念仏しかありません。アミダさまは、私の名前を呼びなさい、あなたができないことは一から十まで全部、仏となった私が五劫という天文学的な長い時間をかけて、あなたに代わって為し遂げてあるので、安心して私にまかせなさいといわれています。このアミダさまからの呼びかけに、お父さんお母さんと呼んだように、すなおに従っていくのがお念仏です。ナームとはよろしくお願いいたしますということですし、アミダ仏とは永遠の命の仏さまで、露のようにはかない我々を丸ごと支えて下さる仏さまなのです。次回は一月十一日にお話がかわります。