浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1100話

高座組 神浄青 上田真彦

本日も、浄土宗神奈川教区テレホン法話へダイヤルを合わせ、お聴きいただきまして誠にありがとうございます。
皆様は、一日の中で「ありがとう」という言葉をどのくらい言っていますか?又は、言うことができていますか? 年齢を重ねるにつれ、人や物事に対し「当たり前!」とか「当然!」はたまた「照れ臭い!」といった観念が強くなり、生活の中で「ありがとう」という感謝の言葉の数が少しずつ減ってきてはいませんか?
皆様も、周りの人たちから自分自身を良き存在と認められ、自身の執った行動や功績に対し「ありがとう」と感謝の言葉を言われ、自信と信頼、やる気が芽生え、更により良い働きをしようとあらゆることに意欲的になることができたことはございませんか?人にはそれぞれ個性や価値観の違いはあれども、老若男女を問わず誰でも「周りの人たちから認められたい」「自身の功績を賞賛されたい」という欲求である「自己重要感」というものをもっております。事実、若者や家族連れに人気のテーマパーク「東京ディズニーランド」では、それぞれ持ち場の違うスタッフたちが、お互いに「ありがとう」と感謝し合うといった経営方針があるそうでございます。着ぐるみを着て華麗な演技を魅せるスタッフ、お客さんに笑顔のこもったサービスを提供する販売スタッフ、園内をゴミひとつ無い美観に保つ清掃スタッフ。それぞれが「ありがとう」の感謝の言葉によって自己重要感を満たし、自身の働く意義を見出し、意欲的に取り組むことが、お客様に不動の人気を得る所以といっても過言ではないと言えるのではないでしょうか?
法然上人のみ教えに「無財の七施」があります。財産がなくてもできる7つの施しのことです。「ありがとう」という感謝の一言も、まさにそのひとつと言えます。皆様も自分の身近な家族、学校、職場または買い物先のお店の店員さんにも「当然!」 「当たり前!」また「照れ臭い!」という気持ちはあるかと思いますが、思い切って「ありがとう」と言ってみて下さい! そうすれば、自分自身そして周りも少しずつではありますが今までなかった明るいものとなってゆくことでしょう。

次回は2月21日にお話が変わります。