浄土宗神奈川教区テレホン法話 第814話

 今回は私達の浄土宗をお開きになられた元祖法然上人のお話をしたいと思います。
 法然上人は武士の家にお生まれになり、幼少の時の名を勢至丸と言いました。九つの時、恨み、ねたみから夜討ちに遭い、目の前でお父様が殺されてしまいました。お父様は臨終間際、勢至丸を呼び「仕返しをしてはいけない、恨みを返せばまた、その恨みを返され終わる時がない、お前は出家し救われる道を探しなさい」とご遺言されました。
 法然上人は悲しみを胸に秘め出家し、自分だけでなく、どうしたら全ての人々が様々な苦しみ、悲しみ、悩みなどから救われるのだろうかと30年以上も私達に代わって修行し苦悩し続けられ、やっとその答えを見つけて下いました。この長いご修行の間、お父様のご遺言をかたときも忘れることは無かったことでしょう。
 その答えこそ、阿弥陀様の御本願を信じ南無阿弥陀仏とお称えすれば、誰でも必ず救っていただけ、西方極楽浄土へ往生出来るという「お念仏」の教えで御座います。
 法然上人が私達のために生涯を掛けて見つけて下さった、この素晴らしい教えを信じご一緒にお念仏を称えて参りましょう。