浄土宗神奈川教区テレホン法話 第825話

 今世の中では、新聞やテレビを通じてイラク戦争、児童虐待など毎日のように暗いニュースが報道されており殺伐(さつばつ)とした社会であります。
 浄土宗は、宗祖法然上人のご命日である毎月25日を世界の平和と人類の福祉を念願する『世界平和念仏の日』と定め、日本国内のみならず、浄土宗の全寺院と浄土宗檀信徒が人類共生(きょうせい)の実現である共生(ともいき)の願いとともに、世界の平和としあわせを願ってお念仏を称える日と致しました。
 1141年、法然上人が9歳の時、法然上人のお父様である時国公(ときくにこう)が敵に襲われて深い傷を受けました。その時お父様は法然上人に「恨みは恨みをよんで限りなく続く。敵討(かたきう)ちはしないで、争いのない平和な暮らしができる道をみつけてほしい。みんなが幸せになるように、立派なお坊さんになってほしい。」と最後の言葉を残されました。
 これを守られた法然上人は、阿弥陀様の全ての人々をお救いになる万人救済(ばんにんきゅうさい)の願いであるお念仏の教えを後に世に広め、浄土宗を開宗されたのです。
 どうぞ皆様は、この法然上人のみ心を広げ、平和な世界、平和な社会になる事を願い、阿弥陀様の慈愛(じあい)にみちた光が世界中の人々に照らされ日々の生活を送れますよう、毎月25日の法然上人がお浄土に帰られたご命日、そしてそのお時間である正午にそれぞれの場所で合掌をし、お念仏をお称え下さい。

 ◆引用文献
  浄土宗ホームぺージ
   毎月25日は世界平和念仏の日
          ―宗祖法然上人800年大遠忌にむけて―
   法然上人の心を世界へ
          ―毎月25日は世界平和念仏の日―
  『浄土宗大辞典』

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