浄土宗神奈川教区テレホン法話 第832話
ご詠歌講の稽古が終わった後のお茶飲み話の中の一齣です。
「私は、お墓参りをする時、お嫁さんと孫たちを誘います。独りでは行きません。そして、孫たちにお掃除させています。勿論、私もお嫁さんも一緒にしますよ、時には“バケツの水を替えてきてよ”と命令することもあります。でも、口を尖らせたり、反抗したりしません。お盆とかお彼岸ぐらいで、年に数回ですが“綺麗なお花を見て、おじいちゃん、喜んでるだろうね”そう言いながら帰って来ます」
二人のお孫さんは、中学も高校も卒えた女の子ですから、もう何年も続けられているのでしょう。
私たちは一人で生まれてきたのではありません。そして一人で生きてはいけません。大勢の人達、沢山の物のお陰です。その上、私たちの目に、はっきりとは見えないご先祖さまを忘れてはなりません。
先ほどの講員さんのように、お孫さんと一緒にお墓参りしたいものです。
今は極楽浄土に往っておられるご先祖さま方が、私たちを見守り、導いて下さいます。“お孫さんと一緒が良い”と申しましたが、ご先祖さまと密接に繋がっている子孫の誰かとお参りしましょうということです。そして、ご先祖を思い浮かべて話をし、お礼を伝えましょう。時には“愚痴”も聞いてもらいましょう。「切っても切れぬ」ご縁のご先祖さまです、やがて『阿弥陀経』の中にあります「倶会一処」(くえいっしょ)(一緒に仲良く暮らす)のご先祖さまです。
折に触れ、時に触れて墓参りをし、ご縁をいただいている大勢の方々、沢山の物たちに「南無阿弥陀仏」とお唱えするよう望んでおります。