浄土宗神奈川教区テレホン法話 第879話
心で聴こう除夜の鐘
こんにちは。今年も後僅かになりました。特に大晦日といえば、恒例の紅白歌合戦が思い起こされますが、これが終わりますと全国のお寺から除夜の鐘の音が響いてまいります。
百八煩悩を打ち払い、清らかな心で正月を迎える行事の一つといえましょう。
百八煩悩とは沢山の限りない煩悩を意味し、お数珠の珠も、鐘の数も百八として、煩悩を断ち切るよすがとしたものです。特に昔から京都知恩院や芝増上寺の除夜んの鐘は有名ですね。
あぁ、、、今年も様々なことがあったなぁ、、、と感慨にふけっている中に、除夜の鐘の音を聴きますと、一入心に染み渡ります。そこには耳で除夜の鐘を聴くのではなく、自然と心を通して鐘の音を聴いている自分がいることに気付くことでしょう。
今の世の中は身勝手で無責任な人間、礼儀知らず、直ぐにキレてしまう人間などで一杯です。みんな心が無くなってしまっているのでしょうか。こうした時こそ、私共は除夜の鐘の音を聴くごとく、お互いに心を通して話し合い、心を込めて行動しあうことが大事ではないでしょうか。
私たちは仏様にお会いする時は誠の心をもって対面します。
お参りした後は心がすっきりして清浄になった気持ちになりますね。それは、お念仏をお唱えし阿弥陀様の御心を頂いたからであります。
従って、その御心をお互いが通して生かし合うということではないでしょうか。
新年こそ、煩悩を打ち払い、お念仏の中に生かし合う年になりますよう、願いたいものであります。