今日から四月、日本では、この四月から学校は新学期、成人は入社など、新しい生き甲斐、新しい生活を求めて、人生の一ページがはじまります。
入学式、入社式はこれからのあたらしき生活を迎えることで、胸がときめき、反面やっていけるかどうかという心配もおきます。一年のなかで、特別な月でもあります。この独特な四月の環境、雰囲気をときほぐしてくれたり、和らげてくれるものがあります。それは周囲の樹々であり、草花であります。代表的なのが、桜の花、桃の花であり、この花をみていると周囲を明るくして、この人生の門出の心配事を和らげてくれます。「さー、新学期、入社式が始まるぞ」と、勢いつけて、後押しをしてくれます。だからこそ、四月は人と自然の営みが調和した月で、一年のなかでも、好ましき月であり、日本人の心のなかに強烈にはいってくる月なのである。浄土宗でも、春爛漫の桜花の季節、暖かい四月に行事が集中しています。四月七日の法然上人の誕生日の降誕会、四月八日の釈尊のお誕生日の花祭り又の名の灌佛会、又法然上人の亡くなられた御忌、この御忌については法然上人滅後三百年たった大永四年(一五二四)、朝廷より知恩院で毎年勅会として、いとなむようにとの詔勅がありこれ以後、知恩院では法然上人の命日を『御忌』とよばれるようになった。御忌は本来一月二十五日で元祖様の命日であり、浄土宗のお寺では、御忌法要として厳粛におこなわれている、本来の祥月命日法要であるが、この御忌厳修については、明治十年に参拝者の便宜などを考えて寒さ厳しき旧暦一月から陽暦の四月に変更されました。そのため知恩院と増上寺は四月に特別に日数かけておこなわれています。今年度は、法然上人がなくなられてから、七九八年忌にあたります。東京の大本山増上寺では四月二日(木)から七日(火)まで、京都の総本山知恩院では、十八日から二十五日(土)まで、行われています。日時など確かめのうえ皆様も是非ご参拝ください。
次回は四月十一日にお話がかわります。