浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1088話

善然寺 戸田由美

一年で、3万人もの方が、自死、自ら命を断っています、私は、大切な人を、自死で亡くされた方の手紙相談をしています。大切な人を自死で亡くされると遺されたご遺族は深い悲しみは勿論、「なぜなのか」と原因を突き詰めようとしたり、亡くなった事を恨んだり、怒ったりといろいろな感情に囚われます。一番多いのは「何かしてあげられたのでは」とご自分を責める方です。
 悲痛な思いを、誰かに打ち明ける事も、自死で亡くなったという事も、中には亡くなった事さえ言えないという方もいらっしゃいました。打ち明けたとしても、心ない人に「自ら命を絶った人はいい所にはいかれない」とか「地獄に落ちる」と言われて苦しんでいる方もいらっしゃいました。自ら命を絶った人が、地獄にゆくと書かれたお経はありません。あみだ様という仏さまは、どんな人でも、自ら命をたった人でも、病気で亡くなった人、事故で亡くなった人、若かろうが年が老いていようが、あみだ様は分け隔てなく等しく慈しみの心を振り向け、必ず救ってくださいます。亡くなられた方は、今お浄土から、私たちを見守っていて下さることでしょう。亡くなった方とのご縁は、お浄土に行かれても無くなることはありません。そして、いつか極楽浄土で、再び会う日まで、遺されたあなたの定まった命が尽きるまで、ご自分の人生を生きて欲しいと願っています。亡くなった方は、お浄土であみだ様が守り、導いて下さいますので安心して下さい。
 遺されたあなたが極楽浄土で再会される方法は、「なむあみだぶつ」とお唱えすること
 又亡くなった方の為にも「なむあみだぶつ」とお唱えすることが一番のご供養になることでしょう。

次回は、10月21日にお話が変わります。