浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1103話
こんにちは。3月も半ばに入り、そろそろお彼岸のお参りに行かれる方もいらっしゃるかと思います。お中日をはさんだ前後の3日間、ちょうど一週間をお彼岸とし、その間にお参りに行ったり、彼岸法要といった行事がお寺で行われます。春彼岸のお中日は春分の日ですので、今年の春彼岸のお中日は20日火曜日になります。
国民の祝日に関する法律によると、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とされています。東日本大震災から一年経ったいま、春分の日を迎えるにあたり、自然の尊さや厳しさ、生きとし生けるものすべての命の大切さをあらためて心にとどめたいと思います。また震災でお亡くなりになった方々の一周忌にあたり、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
南無阿弥陀仏。
さて、彼岸は「彼の岸」と書きます。つまり彼岸とは向こう側の岸、西方極楽浄土を意味します。反対にこちら側の岸、つまり現在私たちが生きている世界は「此の岸」と書いて此岸と言います。お中日である春分の日には太陽が真西に沈むので、日没の彼方にある西方極楽浄土を想い、敬慕の心をもつべきである、と中国の善導大師はお説きになりました。その善導大師を師と仰ぎ浄土宗を開かれたのが法然上人でございます。
太陽の沈む方角に向かって手を合わせ、そのむこうの西方極楽浄土に生まれることを願うのがお彼岸でございます。阿弥陀様のお力におすがりし、『南無阿弥陀仏』とお念仏を申しましょう。臨終の時にはわずらいなく、共に西方極楽浄土に生まれますように。
次回は3月21日にお話がかわります。