浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1124話

今回の法話は現世についてお話し致します。今、私達が生きているこの世界は、自身の過去世に唯一度も出会うことの無かった、仏の真実義に巡り遇える特別な世界であり、この命は大悲出世されたお釈迦様から連なる一期一会の命であります。前回お伝えしたように、苦海たる輪廻の里を離れる為には、過去世からの自身の命を見据えて、真実の法に目覚め、貪り・怒り・愚かしさに代表される煩悩を修行によって捨て去らねばなりません、されど末世に身を置く私達には非常に成し難いのが現実です。末法の世に人々を救済せんと求道練磨された宗祖法然上人は、お釈迦様が残された数多くの御教えの中から唯一行、阿弥陀仏の本願行を頂戴いたしました、彼の仏は十方世界総ての命を救済せんが為、兆載永劫に六度萬行を修め、無量寿・無量光の如来となり「南無阿弥陀仏」の称名に総ての功徳をかたむけて、称名の行者を必ず救い摂るとの誓いを成就された仏様であるからなのです、釈尊涅槃より2400年の時下りし末法の時代に、煩悩具足し出離成し難き私達をも救わんと、我が名を称えよと今日も西方極楽浄土から大慈大悲の光明を私達に照らして下さるからなのです。

次回は10月21日にお話が変わります。