浄土宗神奈川教区テレホン法話 第665話
 
 「和願愛語」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?
 私がとても好きな言葉の一つで、これは「無財の七施」から来ている言葉です。「無財の七施」は、財産がなくても出来る七つの施しのことです。
 一つ目は捨身施で、捨てるに身体の身に施しと言う字を書きます。身の施しのことで、誰にでも敬いを忘れずに、身をもって行動することです。
 二つ目は心慮施で、心に配慮の施しと言う字を書きます。相のために心配りをする事で、善な心で、思いやりをもって行動することです。
 三つ目は和願施で、平和の和に顔に施しと言う字を書きます。顔の施しのことで、いつも穏やかで優しい顔をして、相手に微笑みを与える事です。
 四つ目は慈眼施で、慈悲の慈に眼に施しと言う字を書きます。眼の施しのことで、相手に優しくいたわりのまなざしを向ける事です。
 五つ目は愛語施で、愛に言語の施しと言う字を書きます。言の施しのことで、相手に優しくあたたかな言葉をかける事です。
 六つ目は床座施で、床に座席の施しと言う字を書きます。座の施しの事で、お年寄りや体の不自由な方に席を譲る事です。
 七つ目は房舎施で、房に宿舎の舎に施しと言う字を書きます。ひとときの憩いの場を与えることで、泊まる所のない人を泊めてあげたり、雨の時に軒先を貸したりする事です。
 以上が「無財の七施」です。
 時代が進むにつれて、人情が薄らいできています。財産がなくても出来る施しと言っても、なかなか実行するのは難しいことです。しかし、この7つの施しを心がけて行動すれば、人と人のつながりも深くなって心豊かな日々を送る事が出来ると思います。今年も始まったばかりです。どうぞ実行してみて下さい。
 
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