浄土宗神奈川教区テレホン法話 第679話
私達は、仏さまは見えないものだと思っておりますが、書物を読んだり、お話を聞いたりしていきますと少しづつ仏さまがわかって来る様な気がします。
私達は、赤ちゃんの時おむつの世話をしてもらい、お乳を飲ませてもらい、抱いてもらい寝かせてもらう。だんだん大きくなって学校へ行かせてもらい、仕事を教えてもらい、結婚させてもらう。そして、一生生きていかれる様親がいろいろしてくれます。
それは皆ただです。親にお乳を飲ませてもらい料金を払った人もいなければ、おむつの世話をしてもらったからと言って、お礼をした人もいない。病気になって看病をしてもらい、料金を払った人もいないと思います。あれが気に入らない、これが食べられないというけれど、ありがとうと、なかなか言いません。言わなくても親はおこりません。年頃になれば結婚の支度もしてくれる親もいます。そして一人前に生きて行ける様にしてくれるのが親です。それは、生きた仏さまの様です。
親は、それだけしてやっても私がしてやったとは思っていません。ただ子供が可愛いし、子供の思う通りにさせてやりたい、子供が困っていたら助けてやりたい、なんとかしてやりたいと思っているのです。つまり、苦しみを除いて楽しみを与えてあげる事が仏さまの仕事です。その一番身近にいる仏さまは、あなたのお父様、お母様なのです。私は、そう思っております。