浄土宗神奈川教区テレホン法話 第704話
今月の2月15日は、お釈迦様の亡くなられた日にあたります。
仏教を開いたお釈迦様は、実在の人物です。今から約2千5百年前、インド北部にカピラ国という国があり、その国を統治していた種族を釈迦族といいます。つまり釈迦というのは種族の名前で、釈尊というのは、釈迦族の尊い人という意味です。
お釈迦様は29才で出家して6年間の苦行の末、35才で悟りを開き、ブッダとなりま
す。ブッダとは目覚めた人という意味です。
お釈迦様は35才で悟りを開いて80才で亡くなるまでの45年間、インドを遊行して教えをひろめました。悩める人の話を聞き、慰め、病人を元気づけ、そして悟りへと導くというようなことをして人々を救ったのです
晩年、弟子のア一ナンダに「自分の体は、調度、壊れた車を皮紐でつなぎ合わせて無理に動かしているようなものだ」と言いながら旅を続けます。そして、鍛冶屋のチュンダに出された食べ物にあたってしまいます。クシナガラの地に着いたお釈迦様は、「私は疲れた、横になりたい」と言って、沙羅双樹の間に、頭を北に向け、右脇を下にし、足の上に足を重ねた状態で亡くなります。
釈尊として尊ばれ、ブッダとして悟りを開いた素晴しいお釈迦様が、あちこち体が痛くなり、病気に苦しみ、老いて、そして死んでいったのです。お釈迦様は私たちと同じ人間なのです。そして、どんなに文明が進歩して
も、この世は無常で、老いや、病いや、死から逃れることができない事を、身をもって示されたのです。だから、我々も年をとって病気になっても、「お釈迦様でも、我々と同じように苦しんだんだ」と、そう思うことによって、少し慰められるのではないでしょうか。