浄土宗神奈川教区 テレホン法話第757話
8月に入り、月遅れのお盆の月となりました。お盆休みを利用して田舎へ帰省したり、
家族旅行をしたりと日本中の人々が大移動をする季節です。
しかし、大移動するのは皆さん方だけではありません。お盆にはご先祖方が還ってこられます。私どもは、迎え火を焚き、お盆のお供えをしてご先祖をお迎えします。ご先祖を敬うことはいつまでも大切にしていかなくてはならない、良き伝統ではないでしょうか。
しかし、ご先祖方は、お盆になるとどこから来られて、お盆が終ると、どこへ還られるのか、お考えになったことはありますでしょうか。
ご先祖方は阿弥陀さまのおつくりになられた、西方極楽浄土から来られるのです。阿弥陀さまは仏になるために四十八の願いをおこされ、そのなかの十八番目に、次のように誓われています。どんな人でも私の名前を呼べば必ず自分の作る極楽浄土に生まれ変われますように。もしそうでなければ、決して仏にはなりません、と。
そして、阿弥陀さまはこの誓いを成就なさって仏となり、たった今でも、私たちにお声をかけて下さっております。
お念仏を称えれば、臨終の時に、阿弥陀さまは必ず迎えに来てくださるのです。これが浄土宗の教えです。
今、ご先祖方は極楽浄土におられます。そして阿弥陀さまのもとでお念仏の修行にはげんでおられます。私たちが夏休みを取り、田舎へ帰省したり旅行に行くのと同じように、この季節に家族や子孫に会いに来られる、という受け取り方はいかがでしょうか。
ご先祖方は私たちにお念仏のよさを教えてくださりに戻ってこられます。
そしてお盆が終わると再び極楽浄土へ戻られます。
阿弥陀さまとご先祖が両方おられるお仏壇こそ、極楽浄土なのです。
いずれ私たちも行かせていただきたいものです。
お盆の今こそ信仰を深める時ではないでしょうか。お仏壇に手を合わせ、阿弥陀さまと
ご先祖を敬い、お念仏をお称えしましょう。