浄土宗神奈川教区テレホン法話 第820話
日々の生活を振り返ってみますと、落ち着いて、心安らかに過ごしている日は余りありません。家族や友人との人間関係や病気や仕事、又、行く末などさまざまな悩み苦しみを抱えています。
お釈迦さまはこの世を『苦しみの娑婆』と言われました。そのとおりだと思います。
お釈迦さまは、その苦しみから解放される道を教えてくださったのです。その究極がお悟りです。
悟りとはいわずとも、私たちが日々の苦しみから解放された状態とはどんなものでしょうか。考えてみてください。
不安や心配が無く、心平安で、とても穏やかです。このような時、私たちは心に安らぎを覚えます。幸せだなって感じることが出来るのです。
つまり仏教は、究極の幸せ、悟りに至る教えですから、当然ながら、私たちの日々のささやかな幸せをも、もたらしてくれる教えであるといえるのです。
ですから、早くこのことを知って、身近に、親しみをもって仏教とご縁を持っていただきたいと思います。
まだそんな年じゃないから、お寺に行くには早すぎるという方がいますが、幸せのためなら早いに越したことはないのです。
ただ単に、亡くなった人への追善の供養だけがお経ではありません。その真髄には、私たちの幸せを願うみ仏さまの大いなるやさしさが込められているということを知っていただきたいと思います。
是非、心穏やかに、幸せを感じながら毎日を暮らすためにも、仏教、殊に南無阿弥陀仏のお念仏の教えを生活の中に、取り込み、活かしていただきたいと思います。
次回は、『幸せへの第一歩』についてお話ししたいと思います。