浄土宗神奈川教区テレホン法話 第830話

 法然上人は、すべてを阿弥陀仏におまかせし、命終わった後には西方極楽浄土に往生させていただきたいと願い、ただひたすらお念仏を称えることが大切です。と、言われております。
 それでは、阿弥陀仏によって造られた西方極楽浄土とは、どのような所なのでしょうか。
 浄土宗では、「浄土三部経」という三つの経典、「仏説無量寿経」「仏説観無量寿経」「仏説阿弥陀経」をよりどころとしております。
 そのひとつの「阿弥陀経」に、『ここから西方十万億の仏土を過ぎたところに、一つの世界がある。名付けて極楽という。その土に仏があり、名を阿弥陀といい、今も現に在って法を説いている』と書かれております。ですから、西の方角に極楽浄土があり、そのお浄土に阿弥陀仏がいられるのです。
 また「無量寿経」には、阿弥陀仏と極楽浄土のことが説かれております。
 それによると、『遠い昔、法蔵菩薩という修行者がいて、すべての者を救いたいという願いをおこしました。そして、多くの浄土を観察し、それらの長所と短所を見極め、すべての者を救うためにはどような浄土がよいのかと考えました。長い長い時間をかけ、ついに法蔵菩薩は、その願いと誓いを四十八の項目にまとめ、修行を重ね、今から十劫の昔にそのすべてを実現して、極楽浄土を建立し、阿弥陀仏となられたのです。阿弥陀仏は、その四十八項目の第十八番目に「あらゆる人々が、心から極楽浄土に生まれることを願い、念仏を称えたならば必ず極楽に往生させましょう。もし往生できない者がいるならば、決して仏にはならない。」とお誓いになられました。
 阿弥陀仏は、私たちに代わって長い間ご修行をなされ、あらゆる人を救い迎え入れてくれる極楽浄土をお造りいただいたのです。一人ひとりの往生を願うお念仏の声を聞いてくださり、誰一人も漏らさずに極楽浄土へ迎えてくださいます。なんとありがたいことでしょう。
 それには、心から誠の気持ちで極楽往生を願いお念仏をお称えすることが大切です。お念仏の教えに出会ったときから、臨終までご一緒にお念仏を続けてまいりましょう。
 合掌

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