浄土宗神奈川教区テレホン法話 第842話
『仏名会』
残るところ、今年もわずかでございますが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
「師走」と言われるだけありまして、昔からそれこそ普段静かにくらしておりますお坊さんも町中駆けずり回り慌しく年末年始の準備するというところから12月は「師走」といわれております。
皆様もそろそろ年末年始の準備に取り掛かるところだと思います、そうしたお忙しい時期ではありますが、ここでお寺での行事を一つご紹介したいと思います。
それは仏名会という行事でございます。
これは過去・現在・未来の三世にいらっしゃいます、諸々の仏様に対し阿弥陀様の御名にふしをつけて南無阿弥陀仏と三回お唱えしている間に仏さまに向かい一回礼をする、この礼拝とお念仏を交互に繰り返していき、仏様のお力をもって私たちの罪、垢を消し去り払っていただくという行事でございます。
私もそうでございますがなかなか人間は罪の意識というものを自覚できないものでございます。
しかし、人間は一日に八億四千もの多くの事を思い、考えるとお経に説かれております。
八億四千の思いのなかには、良い事も思い、考えますがしかしそのほとんどがよからぬ事を思い、考える事が多いそうでございます。
おまわりさんの世話にならなければ罪になら無い、良いのではありません。
それらも大きな罪です。
そうした知らず知らずのうちに積み上げてしまった私たちの心の罪、垢を消し去り払わしていただくのです。
「仏名経」というお経には、「凡夫罪障垢穢の身は、百千劫を経て洗えども清め難し、唯礼懺清浄の水のみありて、衆生罪業の垢を洗うべし」と説かれております。
一日一日が忙しくなってまいります私たちでございます、私たちの心も同様に忙しくなるものでございます。
どうぞ皆様には「仏名会」また日々の生活の中でお念仏、礼拝に励んで頂き心を清めていただけましたら真に有難く思うところでございます。