浄土宗神奈川教区テレホン法話 第841話
『成道会』
12月に入り厳しい木枯らし、寒さを感じつつ一年の終わりを迎えようとしておりますが、ちょうどお釈迦様は今から2500年程前のインドにおきまして大変厳しい修行の中で12月8日にお悟りを開かれ仏陀となられたと云われております。
この日はお寺におきまして『成道会』という法要がございます。
これは、お悟りを開かれ仏陀となられた記念日としてお釈迦様を讃え奉り、私たちがお釈迦様の教えに従い仏道に励む事を誓い、お釈迦様の教えに感謝するという法要でございます。
お釈迦様はお悟りを開かれ仏陀となられたことで、欲望、煩悩一切をお捨てになられたといわれております。
そのお釈迦様は今日を生きる私たちに仏教の教えをお示し下さいました。
けれども今の私たちはお釈迦様のようにこの世において悟りを開き、欲望や煩悩を捨て去る事は非常に難しく思えます。
お釈迦様はこうした私たちを救う為に多くの教えの中からお念仏の教えをお示し下さいました。
その教えは遠くインドより伝えられ鎌倉時代にお念仏の元祖法然上人によって今日に伝えられております。
欲望や煩悩を捨て去る事が出来ない私たちですがお釈迦様、法然上人がお説きになられたお念仏の教えを信じ、ありのままの姿、ありのままの生活の中でお念仏を唱えて行く事が大切ございます。
私たちはお釈迦様のようにこの世ではお悟りを開けないけれども欲望や煩悩があればあるがままに自覚してお念仏の功徳によって阿弥陀様の慈悲のお力を頂く思いでお念仏に励んで頂くことが大切でございます。
お念仏の元祖法然上人のお書きになられた一枚起請文の中に「只、一向に念仏すべし」というお言葉がございます。
まさに今を生きる私たちへの教訓にして頂きたいものです。