浄土宗神奈川教区テレホン法話 第844話
新らしい年を、皆様には健やかに迎えられたことと存じます。
年の初めに「今年はこうしてみたい」「こんなことをしたい」と思いめぐらしたことと思いますが、年が終わってみると、なかなかその通りになっていないのが、常でした。
私は今年の賀状に「新らしき 年を迎えるたびごとに 残せしことの 多きを悲しむ」と、詠みました。
一廻り前の酉年の時、「日本人はニワトリさん」という言葉が流行りました。
ニワトリは三歩歩くとすぐ忘れるのだそうです。
日本人は忘れっぽい…ということを指したものです。
たしかに、一時大変な騒ぎになっても、すぐ醒めてしまします。
思いめぐらした計画も、次々と移り変る社会に追われ、いつの間にか流れてしまっています。
そんな私たちですが、心の支えであるお念仏を、忘れない生活をしたいものです。
「今聴いて いまに忘れる身なれども 南無阿弥陀仏の 残るうれしさ」…私の好きな句です。
今年もお互いにこの句のような生活が出来る一年にしたいものです。