浄土宗神奈川教区テレホン法話 第859話

 みなさんお元気でお過ごしでしょうか?
 6月のテレフォン法話を担当いたします川崎の正受院住職の朝倉和信と申します。
 私は3回にわたって法然上人がお師匠さまと仰がれた善導大師のお話をしたいと思います。
 善導さまは漢字で書くと「善」に「導」くとお書きいたします。
 浄土宗のおつとめは大きく分けて3つの部分に分かれます。
 第一番目はお釈迦様の説かれたお経さまをいただくために身や心をととのえて、仏様と仏様の説かれた教え、そしてその教えを護る人々に敬意をあらわし、すべての仏様を道場にお迎えいたします。
 このはじめの部分を序文といいます。
 第二番めはお釈迦様のおさとりの中から阿弥陀様の教えを読誦(およみ)し、お念仏をお称えいたします。ここがおつとめの中心であり、正宗(しょうじゅう)分といいます。
 そして三番目にどうぞ私たちが仏道を正しく歩めますように、このみ教えが正しく伝わりますようにという誓(ちか)いをいたします。最後に道場にお集まり頂いた仏さまにそれぞれの国土にお送りして法要が終わります。
 この締めくくりの部分の中心は仏さまのみ教えが正しくつたわりますようにということですので物質流通(ぶっしりゅうつう)の流通の字をあてて流通分(るずうぶん)とお読みいたします。
 この浄土宗のおつとめの中心をはさんだ前後の部分、つまり序文と流通分(るずうぶん)はおもに善導大師の『法事讃』という著書から取り入れてあります。
 そうしてみますと私たちは「おつとめ」を通して善導大師のみ心に日々ふれているということになります。
 善導さまはおよそ1300年前中国の唐の時代に活躍された方です。
 浄土宗では法然さまを浄土宗の祖、宗祖法然上人とお呼びし、また善導さまを高いお祖師様、高祖善導大師とお呼びし、お寺の本堂そして仏壇にもおまつりいたします。
 願わくは我が身清きこと香炉のごとく
 願わくは我が心智慧の灯火(ともしび)のごとく
 念々に戒(いましめ)と定(しずけさ)との香を焚きて
 十方三世のみ仏を供養したてまつる
 私の一日は本堂でこの善導さまの作られた香偈という偈文をおとなえいたしますが、このことばをとなえますと実にすがすがしい気持ちに包まれます

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