浄土宗神奈川教区テレホン法話 第862話

 「へえー」

 みなさんはテレビのクイズ番組を見ることがありますか?
 クイズ番組は視聴者も参加している気分にすることを前提に作られています。
 私も見ていると参加しているような気持ちになり、問題が出されると解答者となって心の中で答えますし、テレビの解答者の答えも気になってしまいます。
 誰もが知っているような簡単な問題を間違えると「へえー、そんなことも知らないの」と思いますし、どこから探してきたというような難しい問題の答えを知ったときには「へえー、知らなかった」と思わずつぶやいてしまいます。
 でも考えてみれば、「知らないこと」も、そのことに関わっている人からみれば「へえー、そんなことも知らないの」と思うことがあるかもしれません。
 浄土宗の教えもそうです。
 私はお通夜の後で、
「浄土宗は法然上人が開かれました。浄土真宗を開いた親鸞聖人と間違えないで」
「法然上人が浄土宗を開かれた経緯」
「南無阿弥陀仏の意味」
「十念のとなえ方」 
と大まかな浄土宗の説明をしますが、浄土宗に縁のない方には「はじめて知りました」とよく言われます。
 浄土宗僧侶や檀信徒からみれば「へえー、そんなことも知らないの」と思うのですが、浄土宗に縁のない方からみれば「へえー、知らなかった」ということでしょう。
 浄土宗寺院は全国にありますが、その教えが浸透しているとはいえないかもしれません。 
 しかし、いつかは浄土宗の説明しても「そんなことは誰でも知っているよ!バカにしないで」と言われる日が来るように、みなさま方といっしょに法然上人のお念仏の教えを広げていきたいものです。

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