浄土宗神奈川教区テレホン法話 第907話
日常を生活しているとまずは準備というものをいたします。
必要な物を用意し、支度を前もって整えておけば、物事が順調に進みますがこれを怠ると非常に慌ててしまいます。
先日、テレビで「これからの葬儀」と題された内容が放映されていました。
その中で生前にきちんと自分の葬儀を納得した形で決めるというものがありました。
好きな音楽を流して欲しい、飾り付けはこうして欲しいなど人それぞれに、ご自身の演出をなさっていらっしゃっていました。
このような取り決めを話し合うと言うのは良い事だと思います。せめて、ご家族には伝えておく事が大事なのです。
大切な方の死は大変悲しく混乱いたします。
時間もあっという間に進んでしまい、気が動転しているかせいか、どのようにしてよいか判らない方も少なくありません。大変、信じがたい話ですが自分のお寺ではない住職に葬儀をお願いしてしまったという事もあるのです。
そしてこの世を旅立ちする際、ご自身がどこへ向かうのか、どうすれば良いのかと言う事も知っていなければいけません。
浄土宗ではお念仏をお称えする事が往生への準備となります。
我々の向かう場所はお浄土であり、お念仏をお称えすることがお浄土への往生となるのです。
旅行に例えるなら行き先を決め、何で行くか、そして身支度です。順序良く、準備を進めるのは大事なのです。
そして、出来る事ならお見送りは大勢で。時折、葬儀後連絡を受けて、慌ててお参りにいらっしゃるご友人も見受けられます。
誰に見送ってもらいたいかも知らせておくと、お別れが切ないものにならずに旅立てるはず。
縁起の悪い話と目をそらさずにご自身の人生を見つめなおす事にもなるのです。
お寺は決して、敷居の高い所ではございません。どうぞ、気軽に訪れてお話頂ければと思います。