浄土宗神奈川教区テレホン法話 第953話
港南組 薬王寺 石川仁恵
家族の間での関係が希薄になってきて新聞やニュースでも多くの家庭内暴力や事件のことを耳にします。
お互いがおもい合うことがうまくいっている時はいいのですが、うまくいかなくなると、お互いが自分の思い通りにさせようとしてしまいます。また、そうさせないと気がすまないと思ってしまうのです。
しかし、恋愛にしても、夫婦・親子関係にしても、必ず相手あって関係が成り立つのです。
私たち一人一人が、自分がここに在ること、自分がここに命を頂いて生活できていることについて、考えていかなければなりません。相手を暴力や言葉の暴力で押さえつけられたとしても、相手には憎しみ、悲しみしか残らないのです。また、その相手は違う誰かに同じ事をする時もあることを知っておかなければなりません。
無理やり思い通りにさせて独りよがりで生きていけるでしょうか。お互いの思いをまず聞いて、自分達は、両親や祖父母やご先祖様のおかげで存在することが出来ていて、阿弥陀様のおかげで私たちは、生き生かされていることを確認する必要があると思います。
自分一人で我侭に生きていると勘違いするのではなく、家族やご先祖様、そして阿弥陀様のおかげさまで自分が存在しているということを忘れてはいけないのです。