浄土宗神奈川教区テレホン法話 第954話
港南組 薬王寺 石川仁恵
私たちは誰もが二人の親(両親)をもっています。また、両親にはそれぞれの親がいます。私たちは4人の祖父母を持っています。さらに、それぞれの祖父母にも両親を持っています。すなわち、私たちは皆、8人の祖々父母を持っています。このように私たちは、わずか3代さかのぼるだけで14人ものご先祖様を持っているのです。さらにさかのぼって考えると私たちには数えることの出来ない位の沢山のご先祖様を持っていることがお分かりだと思います。
さて、もし仮にこの無数のご先祖の中でたった1人でも欠けてしまっていたら、即ち無数分の1がいなかったとしたら、今の私たちはこの世に生まれていなかったのです。私たちの命は無限に近い多くのご先祖様の血を頂いているのです。そう考えたならば、私たちはご先祖様のおかげを感謝しなければならないと思います。そしてご先祖様から頂いた血を子孫に伝えることが私たちの重大な責任になってくるのではないでしょうか。
近年では、一人でも生きていけると勘違いし、自分の命は自分だけのものと勘違いしている人たちが多くなっているように思います。しかし、私たちの命は、自分1人のものではありません。私たちの命はご先祖様からの大切な預かりものだと思います。
私の命は、私のものであったとしても、ただ単に自分だけが自分勝手に扱ってはいけないのではないのではないでしょうか。私たちの命はとても大切なものなのです。命を粗末にする最近の風潮は、悲しく嘆かわしいと思います。どうか命を大切にしていただき、ご先祖様に感謝して生活していきましょう。