浄土宗神奈川教区テレホン法話 第955話
担当 高座組 増全寺 香川 隆順
2月に入りましてまだまだ寒い日が続いております。しかし自然の木々に目をむけてみますと徐々に蕾を育て、春の足音を感じます。
さて、先日不覚にも風邪をこじらせてしまい、しばらく寝込んでしまいました。布団の中で苦しんでおりますと頭の中は不安でいっぱいです。
「もしかしたらこのまま治らないんじゃないか・・・」ただの風邪ではございますが不安はぐるぐる頭を駆け巡ります。そして気づいたのです。
「なんて普通に生活できることとはすばらしい事なんだろう」と。
私達は普段、普通に手を使い、歩き、色々な物を見たり、人と会えば喋ります。その一つ一つ、普段は当たり前だと思い込んでいた事がそれを失った途端、なんてすばらしく、大切な事だったのだろうと気づかされるのです。
風邪をひいた時もそうです。
健康でいる時には気づく事のできなかった事。運動が出来る。仕事に集中できる。そして普段当たり前と感じている、家族のやさしさや有難さ・・・
この世の中、考えてみれば「当たり前」なんて事はなに一つ存在しないのです。
全てはお陰さまの力。いうなれば阿弥陀様の光明でございます。私達知らず知らずの内に数多くの「つながりとご慈悲」を頂いて生活しています。いえ、生活させていただいているのです。
私達に出来る事、それは、そのことを自覚し、「南無阿弥陀仏」とお念仏をお唱えしながら感謝の生活を送る事なのです。
感謝の心を持った時、人は豊になり、実りある人生を送る事が出来るでしょう。
病の床、自然と「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えている自分がおりました。
次回は2月11日にお話がかわります。