浄土宗神奈川教区テレホン法話 第971話
小田原組 松蔭 英宣
前回に引き続き、仏様の誓いについてお話させていただきます。
私達が人それぞれ違う目標を持つと同様にお釈迦様や阿弥陀様もそれぞれ別々の誓いを持っております。
では、私たちの仏様であります阿弥陀様はどのような誓いをもたれたのでしょうか?
阿弥陀様は法蔵菩薩という名で世自在王仏のもとで修行をされているときに、世自在王仏は、色々な仏様の国を見せ、それぞれどのような誓いを立てて、その国を完成させたかを法蔵菩薩へ説いてくれました。
それから法蔵菩薩は自分の国を作る為の誓いを考えはじめました。
どうしたら素晴しい仏国土を築く事が出来るであろう、どのような人々を招き入れたら良いのだろうと、誓いつまりは目標を考える為だけに五劫という長い時間を要しました。阿弥陀様は、最終的に48の誓いをお建てになられました。
これがいわゆる阿弥陀如来の四十八願といわれるものであります。
この誓いとは自分が作る仏国土に、罪やけがれや苦しみを受ける者がある限りは、自分は決して正しい覚りを得るような事はあるまいという誓いであり、言いかえれば、自分が仏になるからには、いかなるものも救わないではおかないという、固い決意の表れでもあります。
この四十八願の中で、最も重要である誓いは念仏往生の願と呼ばれる第十八番目の誓いだとされています。
“もし私が仏と成ったならば、真実の心持で深く阿弥陀仏を信じて、私の国に生れんと欲して、上は生涯を通じて念仏するものから、下はただの十回だけでも念仏するものまで、我が浄土に往生させる”というお誓いを立てられ、もしこの誓いが成就しなければ仏にならないと決意されました。
この誓いの中で念仏という行を選ばれたのは、全ての人々にとって誰にでも出来る容易な修行であり、全ての衆生を救済する為に選ばれた行であるのです。
即ち念仏すれば必ず救われるという根拠がここにあるのであります。
次回は7月21日にお話が変わります。