浄土宗神奈川教区テレホン法話 第970話

小田原組 松蔭 英宣
私たちは人として生まれ落ちたその瞬間から死に向かって生きていかなくてはなりません。
これは平等に与えられた事実であります。では、人として死に向かいながら、人としてどのように生きがいのある充実した人生を送る事が出来るのでしょうか?
私達が人として本当に生きがいのある人生を送るには、1つの目標を持って、それに向かってわき目もふらずに精進していくことではないでしょうか。充実した一生を過ごすにはその目標が先ずは大切であり、そしてそれに向かって進むための努力が大切であると考えます。目標はつまり誓いであり、努力は修行であります。
それでは私たちはどんな目標・誓いを立てるべきであろうか?そのヒントを仏様の誓願に求めてみると仏様は私達が人それぞれ違う目標を持つと同様にお釈迦様や阿弥陀様もそれぞれ別々の誓いを持っております。
しかし、どの仏様にも共通する四つの誓いというものがあります。
第一番目は衆生は無辺なれども、誓って願わくは度せんとす。つまりはすべての人々を救おうという意味です。
第二番目は煩悩は無辺なれど、誓って願わくは断ぜんとす。つまりは悩みや罪は限り無いがきっと断ち切ろうという意味です。
第三番目は法門は無量なれど誓って願わくは学ばんとす。つまりは、たくさんある教えの全てを学び取ろうという意味です。
最後の四番目は仏道は無上なれど誓って願わくは証せんとす。つまりは、最上の悟りを成し遂げようという意味です。
これらの四つの誓いを仏様は皆立てられております。この誓いを四弘誓願といいます。これは、そのまま私たちの日々の誓いとなりうるものでありますが、日々の忙しい日常の中で、この誓いを修行するのは大変な事であります。
この仏様の誓いに習って1つでも自分の誓いを持ち、日々精進を重ねる日々を持つ事が出来れば充実した人生が送れるのではないでしょうか?
次回は7月11日にお話しがかわります。