浄土宗神奈川教区テレホン法話 第668語
うかつにも、左手の小指を突き指してしまいました。たいした痛みも無かったので、2,3日そのままでいましたが、どうも小指の動きが悪いので、お医者さんに診てもらいました。その結果、小指の筋がきれており手術する事になりました。手術後5週間の固定と約2ヵ月のリハビリを行いました。たかが小指されど小指と言うべきか、普段は意識しない指なのに使えないとなると、実に不便で、また手にも力が入りません。
蓬か昔、人間独特の直立歩行という体位によって手がはじめて自由になったといわれています。以来、基本的に手という道具によって物が生産されてきたと思います。お釈迦さまが説かれた説法も、手という道具で文章となって私達はその教えを読むことが出来るのです。
お経とは、お釈迦さまが説いたものを文章にしたものです。その他、仏の制定した律、菩薩などが、お経の意味を
解説した論が有ります。この、経と律と論を合わせて三蔵といいます。さらに三蔵を集大成したものが、大蔵経とか一切経とか呼ぱれます。どのくらいの数かといいますと、大正新修大蔵経によれぱ、3053部、11970巻に及ぶ大変な分量になります。それゆえ、その教えも8万4千の法門があると言われています。
私達の宗派である浄土宗は、宗祖法然上人が大蔵経を読むこと5回、中国の善導大師がお書きになった解説書を8回もお読みになり、ついに全ての人が救われる方法を発見し、基本の教典として、無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経、の三っと明示されました。
お寺で読まれるお経にはこのような背景があることも気にしていただくと、元祖様のご苦労が括わかりになるかと思います。