浄土宗神奈川教区テレホン法話 第695話
11月の中旬になると、かわいい子が着飾って、お寺やお宮にお参りをしている姿が目につきます。
七五三のお参りです。男の子は3才と5才、女の子は3才と7才でお祝いをします。
どうしてこの年令でお祝いをするのでしょうか。
昔は少数という考えがなかった。それで七五三など奇数は割り切れない。1つ残るいつまでも続くめでたい数と思われていました。
江戸時代の過去帳を見ると、○○嬰児、嬰女という法名(戒名)が目につきます。これは生まれて1、2才までの間に死ぬ子が多かったということです。
ですから、3才まで育ってくれればひと安心できた。そこでお祝いをする。
また、男の子の方が育てにくかった。ですから男の子が5才まで大きくなればもう安心、女の子も7才になれば安心ということでこれまで育ってくれた感謝と元気に育ってほしいという願いを込めたお祝いです。
ところが一方では、親のせっかんによるいたいけない子の死、いじめによる自殺などいたましい事件が後を絶ちません。なぜでしょう。それは、命、体は自分のもの自分の勝手という気持ちがあるのではないどしょうか。これは間違っています。
子はさずかりものと言います。仏教的に言えば仏さまが我々に人間としてしっかり生きるようにあずけてくださった命です。
また生まれる縁、生縁という言葉があります。これは、親は子に自分の親として選ばれてその子の親となった。親は今の自分の子として生んだ。という意味です。
同じように我々の周りで言葉をかわし行動を共にする人は、世界の何十億人の中から選び選ばれた仲間です。この結びつきを大切にしていきたいものです。