浄土宗神奈川教区テレホン法話 第721話
無財の七施 これは、人に対して、物やお金が無くてもできる七つの布施のことをいうのです。
布施は仏教の六波羅密の中の一つであり、大事な修行です。修行の中で僧侶は信者から純粋な心で布施をされます。これを財施といいます。
それに僧侶は無心で感謝をして真実の法を説くのです。これを法施といいます。
私達は布施といえば、お金や物で施す財施がすぐに思いうかんできます。しかし、何も施す物が無くても、布施をして、人のため世の中のために尽したいと思う人が大勢いらしゃるのではないでしょうか。
無財の七施は人に、やさしいまなざしをかけること、やさしい微笑をかけること、やさしい言葉をかけること、やさしいおもいやりの気持ちをもつこと、身体をつかって役立てること、ゆずりあいの心をもつこと、暖かい心やもてなしをするという奉仕の気持ちをもつこと、このようにあらわすのです。
私たちの日常生活をみまわしますと、布施を実践する場所はたくさんあると思います。心から人のため社会のために施しをしたいという気持ちがあれば、無財の七施のような行動が自然と自分の姿にあらわれてくるでしょう。
物やお金が何も無くてもできるものなのです。
他人のことを思うより自分さえ良ければという心をとりはずし自分の行動に責任をもち、いつも明るく正しく仲よくそしておもいやりの心をもって生活し、小さなことから実践していきたいものです。