浄土宗神奈川教区テレホン法話 第722話

 今年も暑い夏の訪れと共に、大文字焼き、精霊流し、盆踊り等、お盆に関する行事が各地でおこなわれます。
 家庭においては、ご先祖様のために、特に新盆の家では、精霊棚に多くの飲食物を供え、お迎えをいたします。
 きゅうりの馬で一時でも早くきてほしいと願い、なすの牛でゆっくりとお帰り下さいと名残り惜しさをあらわします。
 家の中に飾られた精霊棚には、四方に竹をたて昔からの飾り方をする本来の姿でなく、仏壇に盆飾りそする家が多くなってきました。普段とかわらずに、手前の棚には、カゴに入ったミニチュアの野菜や果物、わらの牛や馬が置かれ、水の子等が用意されてない家もあります。本来の盆飾りでなく、画一的で簡略化されている様子はさびしい限りです。
 お盆は、ご先祖様の恩徳を感謝する行事です。しかし、その感謝の心も精霊棚の簡略化ととも失なわれていくような気もします。
 今日の自分があるのはご先祖様のお蔭です。
 何代も前にうけた恩はまちがいなく今日に伝わっています。
 そのための感謝の気持ちを奉げ、報恩の気持をこのお盆の時こそ家族で話しあい、ご先祖様に手をあわせ、心豊かに生きることを私達は今一度考えるよいチャンスだと思います。

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